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きっと あの夜の出来事も 今の謝罪も 全てこいつの作戦なのだと一人納得した。
そう自分の中で決着がついてしまうと 笑いが込み上げて来る。
「響さん?」
「八城とは別れるよ。元々 最初から俺には恋愛感情なんてなかったし」
「えっ?最初から…?」
桧原の驚く顔は 響からしてみたら 心外だった。
「八城に気がない事くらい 桧原なら気づいてると思ってたけど…そもそも 俺 誰かに恋愛感情なんて抱いた事もないよ」
「…雅也さんは?」
「瀬尾は…恋愛感情とは少し違うかな。あいつの才能に憧れたって言った方が近いと思う。キスもした事もなければ 手も繋いだ事ないし」
「憧れ…?」
ふと 昨日見たテーブルセットを思い浮かべる。
「瀬尾は 俺にはない温もりを作り上げる事ができるから」
「温もりを作る…ですか…?」
「学生の時に 先生に言われたんだ。瀬尾が作る物には温かい家族が見えるけど 俺の作品には何も見えないって。だから俺は家具職人の道を諦めて インテリアコーディネーターになったんだ」
あの時の悔しい気持ち 切ない気持ちが思い起こされる。
(そりゃ そうだよ。俺には家族なんていないんだから…)
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