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うちの新入り
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「はぁっ。。」
雄大はついため息を吐いて、スタッフ専用通用口を歩いた。
(姉ちゃんの言葉を全部信じる訳じゃないけど…昨日眠れなかったよ。。)
「はあっ…うわっ!」
肩に何かがぶつかり、雄大はバランスを崩した。ハッと顔を上げると雄大の横を背の高い男が通り過ぎた。
男は振り返りもせず、そのまま階段を上がっていった。
「なんだよ…感じ悪っ。」
「上村 辰成(うえむら たつなり)君です。今日から夕方のバイトで入ってくれました。とりあえず3日間は研修ってことで、昼間のシフトにも入ってもらうようになりました。皆さん、よろしくね。」
背の高い、ヒョロヒョロっとした若い男の子が頭を下げた。
『おはようございます♪開店10分前となりました♪』
「あっ!もうそんな時間?じゃあ自己紹介は後で。じゃあ今日も怪我なく、笑顔で頑張りましょう。解散!上村君はこっちに。」
雄大の横に立っていたパートの菊池が口を開いた。
「なんか愛想のない子ね。大丈夫かしら?」
「まぁ…店長が何とかしますよ。」
店長と若い男の子は、雄大に背を向け、店の奥へと歩いて行った。
(あれ?あの後ろ姿?うーん。。まさかね。)
「上村君、こちらが椿 雄大君。」
膝を曲げて、荷出しをする雄大に黒ぶちの眼鏡を指で上げた店長が、上村を連れて、顔を出した。
雄大はやれやれと立ち上がった。
「…椿です。よろしくお願いします。」
「……上村です。お願いします。」
「……」
上村はすぐに雄大から目を離した。
ふっと詩央里の”童顔だから” のことを思い出した。
(はっ!?)
上村は雄大より頭1つ半背が高いため、雄大はイラつきながら、こっそりつま先立ちをした。
「僕、こう見えても22歳だからね!よろしく!」
そう言って手を差し出すと、上村は強い目線で雄大を睨んだ。
「22…?」
不信そうな顔をされ、雄大も負けじと目を開いた。
「……」
「……」
「そうそう。見えないでしょう?年長者だから何でも聞いてね。」
店長がその不穏な空気をかき消すように2人の間に立った。
「はぁ…お願いします。」
上村は雄大の手を取ろうとはせず、軽く頭を下げた。
「(怒!)」
「うんうん、よろしくね。じゃあ次行こうか!」
そう言いながら店長が雄大の手を取り、ブンブンと振った。
(感じ悪っ!!)
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