アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
好きなタイプは多種多様なハズ!
-
「あの人、、何なんですか?」
雄大とパートの菊池はレジからぼんやりと店長と野上の様子を見ていた。
「何って、新しいシニアでしょう?」
「僕と同じ年らしいです。」
「そう…雄大君は見た目年齢、高校生だけど、あの子は精神年齢、女子高生ね。見て!店長のあの顔!」
首を傾げてしなを作る野上の奥から、困ったような笑顔の店長が見えた。
「普通の男性ならああいうムチッとした女の子、好きみたいだけどね。」
「えっ!?」
「うちの男性スタッフはそんな事ないみたいね。店長は優しいだけの男だし、上村君は通常営業だったから、興味無いみたい。雄大君はああいうぶりっ子好き?」
菊池がパッとこちらに顔を向けた。
「えっ…いや〜特には。。」
「でしょうね?それに雄大君は可愛いから、女の子も謙遜するわよね。ほら!見て!あの男も野上さん見てるわ!」
菊池が顎をしゃくった先に3人くらいの若い男団体が、ディスプレイを整理していた野上の後ろ姿に釘付けだった。
「……男はみんな…?」
好意的では無い目で野上を見る菊池を恐る恐る覗き込んだ。
「ああいうのが好き。」
「……(僕は目のやり場に困るくらい)僕は違うのかな〜?」
「あとあの子は男の人が好きな子ね。」
菊池は雄大の疑問を無視して、話を続けた。
「いるでしょう?男の前では態度が変わる子。昨日もちょっと若い男性が来たらすぐに飛びついて行ったわ。」
「えっ!?」
雄大は激しく動揺した。
(まずい!それは成康さんが来たら絶対飛んでく!)
「まぁ、今んとこ大本命は上村君みたいよ。」
「えっ?でも年下ですよ?」
どこかホッとしながら雄大は首をひねった。
「関係無いわよ。上村君、男らしいし、カッコいいし。昨日も上村君が来た瞬間から、付きまとっていたわよ。上村君は眉間にシワ寄せてたけど。」
上村の素っ気ない感じが、すぐに目に浮かんだ。
「まぁ、雄大君は可愛いからあの子のタイプでは無いと思うわ。」
バンバンと肩を叩かれ、雄大は腑に落ちない顔をした。
「……なんかその言われようも複雑な気分です。」
(でもまぁ、しばらくは上村君からも逃げれそうだし。。成康さんは彼女に見せないように気をつけなきゃ!)
「あら?ちょっとあの男の子。あのアロマのとこにいる子。危なく無い?」
菊池の指差す方を見ると5歳くらいの男の子が、アロマキャンドルやポットの一段高いコーナーに手を伸ばしていた。
「僕行ってきます。」
雄大はレジを離れ、男の子の方に向かった。
歩きながら周囲を見渡したが、親御さんらしき人もいない。
(1人…なわけ無いよな。。)
小さな頭を見ているとその子は手を伸ばし、手にしたアロマオイルをビチャビチャと床にかけていた。
「!!?」
(おいおい!!)
雄大が駆け寄っていくとそこだけだんだん香りが強くなっていく。
「ちょ、ちょっと、君!!」
ハッと顔を上げた男の子はその場に瓶を落としたため、店内にガシャンという音が広がった。
「お、おい!!」
雄大は駆け寄っていくと…
「わあぁぁ!」
雄大はオイルの溢れた床に滑り、派手に正面から床に転んでしまった。
「いてぇー!」
男の子はパタパタと逃げて行った。
「雄大君!!?」
Tシャツもジーンズもアロマオイルがべっとりと付き、強い匂いを発した。
店長が手を伸ばそうとして、うっとなったのを見逃さなかった。
「くそ…よりにもよってネロリのアロマオイルとは…目にしみるーー。」
「大丈夫?」
雄大が立ち上がろうとした時、菊池が焦った顔で近づいてきた。
「今、内線があって、なんか募金の時間だから、正面ゲートに誰か1人来てくださいって?」
雄大と菊池が顔を合わせると店長が思い出したように「あっ!」と声を上げた。
「そうだ!募金しなきゃ!!」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
27 / 147