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スタッフルーム
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「か、帰り…ました。。」
「おかえり。お疲れだったね。ん?その紙袋…」
店長が近づいてきたので、雄大は避けるように身を引いた。
「き、着替…買ってきたんです。」
店長は不思議そうな顔で、首を傾げた。
「そう。。大丈夫?体調悪い?」
「えっ?何でですか?」
「顔が真っ赤だよ。」
「えっ!?」
雄大は顔を触ろうとして、荷物を落としてしまった。
「おぉ!本当に大丈夫??」
「はっ…はい。。」
雄大は急いで紙袋を掴み、胸に抱え込んだ。
「半袖だったし、麻の服だったから、熱でも出たのかも!汗」
店長は心配そうに眉をハの字にした。
「いえ…大丈夫です!!僕、着替えてきます!!」
「あっ!!お疲れ様です☆」
スタッフルームに行く途中、高い声を上げながら、軽やかで素早い動きの野上とすれ違った。
「?」
後ろを振り返ると大き目のバッグを肩にかけた上村が、いつもの無表情で歩いてきていた。
「上村君、今日ちょっと早いね。」
「…いつも通りです。」
「あのね、さっき店長に言われたディスプレイの棚が高くてぇー☆手伝って欲しいな?」
「……」
くねくね動く野上を雄大は酸っぱいような顔で見ていると、奥の菊池は仁王立ちで、青筋を立てていた。
(ありゃ、ー面倒くさい…)
それでも特に露骨に迷惑な顔も嬉しそうな顔もせず、いつも通りに淡々と相手をする上村がいた。
(本当だ…通常営業だ…)
雄大は笑い顔を隠しながら、裏へと下がった。
バタン
「しっかし、女の子は…大変だな…」
菊池からもらった”メイク落とし”なるもので、頬をこすった。
「おぉ!落ちてる!!」
ウエットティッシュみたいな物にはくっきり肌色がついていた。
「おぉ…」
”メイク落とし”を自分の顔に走らせる。
口元にティッシュを持っていった時、そこには1時間前に塗られていたピンク色のリップはもう残ってはいなかった。
「…キス…しちゃった…」
ドキドキしながら唇に指を当てた。
強引な腕の力と柔らかい感触が蘇る。
恥ずかしさと嬉しさで舞い上がりそうになる。
「くぅーー!」
ガチャ
ドアの開く音がして、嬉々としていた雄大は固まった。
「……お疲れ様です。」
そこには先ほどと同じに無表情な上村が立っていた。
「……お疲れです。。」
(聞かれてないよな…汗)
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