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火曜日の終わり
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「歓迎会…ですか?」
帰り支度をしていた雄大を引き留めるように店長はドアの前に立っていた。
「なんか、野上さんがどーしても歓迎会して欲しいって言って来てね。」
「うーん。。でもそれって難しくないですか?このモールは年中無休だし、遅番の終わりは10時近くになるから、それからみんなで集まるとなるとかなり遅い時間になつてしまいます。それにお店も限定されてきますし、ああ見えて上村君は未成年なんですよ!」
雄大は重要だと言わんばかりに店長に人差し指を立てた。
「”ああ見えて”(笑)うん。だから、若い人だけで行ってもらうようにしたいんだ。」
「??」
「菊池さんは夜出れないし、私も夜は帰らないと子供が小さいもんだから…だから、君たちだけで歓迎会やって欲しいんだ。」
「!!?」
「もちろん、全額は無理だけど、半額はこっちが負担するから。領収書もらって来て。」
雄大は持っていた鞄を落としながら、店長に近づいた。
「いやいや!そういう問題じゃなくて…」
「ん?別に何食べてもいいよ。ただ、キャバクラとかはちょっと無理かな〜。」
あはははっと笑う店長の眼鏡を取り上げてやりたかった。
「違いますよ!!何で!?僕は行かなきゃいけないんですか!?」
雄大は怒りを抑えられなくなってきた。
「あっ!雄大君は次の日休みにしてあげるから(汗)」
店長はドアに張り付くように後ろへ下がった。
「そ、そういう問題じゃないですよ!なんで…ぼくがあのメンバーと!2人もいないなら、歓迎会なんてしなくていいじゃないですか!」
店長はしょんぼりして口を割った。
「ああ…だって…野上さんが上村君と仲良くなりたいけど、職場じゃその時間ないから、歓迎会開いて欲しいって。」
(はあっ!?怒)
「じゃあ、野上さんと上村君で歓迎会すればいいでしょう!?うちの会社は恋愛自由でしょう!?」
怒る雄大に店長はあせあせと両手を振った。
「私もそう言ったけど、上村君が誘っても乗ってこないらしくて、野上さんが私に泣きついたんだよー。」
「店長!!だからって…人がいいにもほどがありますよ…」
雄大は呆れて、肩を落とした。
店長はしょんぼりした感じで口を尖らせた。
「んで、上村君に歓迎会したいんだけどって言ったら、雄大君が行くなら行くって。。」
「!!?」
「あとあと!他店から日勤のアルバイトの子を1人、回してくれるようになったんだ!なんかうちの方が家が近いみたいで…その子も一緒に…」
「!!!!?」
「あっあっ!(汗)あれだったら、雄大君のお友達とかも呼んでいいよ!なんかみんなでワイワイしてよ!お金はほら!私のポケットマネーから出すから!それなら問題ないでしょう?」
雄大は目玉が飛び出そうな目で汗タグになっている店長を見つめた。
(なんで…そんなややこしいメンバーと…?)
コンコン
ガチャ!!
青ざめる店長をドアが押し、店長は前のめりになった。
「店長〜!歓迎会なんですけど、時間も時間なんで、カラオケ店に予約しときましたー。」
鮮やかな黄色のシャツを着た野上が、るんるんと首を振って、入ってきた。
「あっ、椿さん。日にち今週の金曜日にしちゃったんですが、いいですかー?上村君はその日でいいってー。」
雄大は額に青筋が立ちそうになった。
「店長、新しい人にも言っといて下さいねー。あと西川さんにも。」
店長が更に青ざめていった。
(勝手に決めて…西川ちゃん、怒るだろうなー)
雄大はなにを言っても効かなさそうな黄色に大きくため息をついた。
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