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うちの家
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カーテンからでも外の光が燦々と輝いているのかよくわかる。
カーテンを開ければ、自分の身体は溶けてしまうんではないかと、部屋の隅に隅にと膝を抱えた。
昨晩から何度か電話とメールの音がしていた。
しかし、携帯はベッドの底にある鞄の奥底で弱々しく鳴るだけで、雄大は近づきもしなかった。
転んだ時にできた膝は大きなかさぶたと紫色の痣を見ながら、雄大はギュッと膝に頭を埋めた。
バタバタバタ
「やだー遅刻ー!あら?雄大は?」
「雄大は今日休みらしいわよ。」
「マジで!いいわねー。昨日は祭りに行ってたんでしょう?充実してるわねー。女と行ってたのかしら?」
「さぁ?でまなんかボロボロになって帰ってきたわよ。怪我もしてたし。顔も沈んでたし。」
「何?カツアゲでもされたのかしら?あいつ弱っちい感じだし。女の子とか守れない感じよね。どっちかというと守られる系。」
「学生の頃も痴漢にあってたから、襲われたのかしら?」
「本当にあいつ男の子かねー。」
「生まれた時はついてたわよ。」
雄大はガッーと窓ガラスを閉めた。
(うちの….うちの女どもは…会話が筒抜けなくらい大声でしゃべるなよ。。)
カッーとしたのと締め切ったせいで、部屋はもうすでにモワッとした暑さに包まれていた。
(くそー!)
エアコンを強にして、雄大はベッドに丸くなった。
(僕は男だぞ!そう簡単に襲われてたまるか!)
雄大はハッとして、身体を起こした。
(そうだよ!!僕は男だ!)
ゴソゴソとマットレスとベッドの間に手を入れた。
せぇので引き出したのは、学生時代に貰ったアダルト雑誌。
貰ったはいいが、1度も活用しなかった雑誌は、年代を感じさせるシチュエーションで、しかもSM系だった。
雄大は服の上から股間に手を当て、雑誌をめくるが、痛々しい縄プレイを見てもピクリともしなかった。
(まぁ…だよな…)
パタンと雑誌を締め、近くにあったお店の袋に厳重に包み鞄に詰めた。
「よし!」
雄大はベッドから降りて、洋服ダンスへ向かった。
「そうだよ。僕は男なんだから、女の子に興味持たなきゃ!僕はお・と・こだからね!!うん!!」
雄大は自分に言い聞かせるように何度も頷いた。
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