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18歳以上ですか?
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人生で2度目の経験
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「いらっしゃいませー。」
茹だるような暑さから店の中に入るとそこは天国だ!と踊りたくなった。
いつもは平日のこの時間は少ないが、夏休みに入ったせいか、店内はまぁまぁの人が入っていた。
雄大は新作を通り過ぎ、チラチラと商品の裏を見る人を見ながら、店の一番奥へと素早く、かつ静かに移動した。
ホラーの棚に来た時、雄大はゴクリと唾を飲んだ。
(ここに来るのは18記念の時、友だちと来て以来だ。あの時は何も借りきれなかったし。。)
チラチラと周りを見渡すと丁度誰もいなかった。
雄大はすすすっと横歩きをした。途中、ビッとサンダルが床に引っかかって音を立てたので、すぐに横歩きはやめた。
ホラーの棚の端へと移動をすると、ホラーと任侠モノの間が通路になっていて、のれんがかかっていた。
= 18禁 =
18歳以下の方は入れません。
雄大はまたしてもキョロキョロした。しかし、すぐに監視カメラに気がつき、慌ててのれんの中へと入った。
「はぁっ…」
入るだけでも勇気がいる。
(もしも何か言われたら、保険証見せて、20超えてんだって言うんだ!)
ギュッと財布を握りしめ、監視カメラに俯きながら、雄大はキッチンくらいの広さのコーナーをぐるりと見渡した。
巨乳!
熟女!!
セーラー服!!!
SMプレイ!!!!
乱行!!!!!
スカトロ!!!!!
「スカトロ…?」
恐る恐る手に取り、裏を見ると目が飛び出すかと思った。
(色んな性癖があるな…)
すでに挫けそうになりながら、”巨乳””ナース””女学生”とノーマルそうな棚を上から見ていた。
裸の女性、ナース、学生、チラチラ見えるモザイク。
(まぁ、女の子は可愛いよな。。こんなに胸なくてもいいけど…なんか付き物みたい…学生服はまずい気分になるな…わぁー、素人??)
ハッと人の気配をようやく感じると、DVDを手にして、じっーと裏を見ている男性が2人いるのに気がついた。
パッケージだけでも、アセアセしているのに2人は静かだったので、雄大はあんぐり開いていた口を慌てて閉じた。
(どれか借りよう!)
意を決して雄大は真剣に選ぶことにした。
「えーまじでぇ!」
不意にアダルトDVDの間から女の人の声がした。
目を向けると棚を挟んで、胸元が開いたオレンジの服を着た人の肩から胸までが見えた。
(わっわ!)
雄大はついその場にしゃがんだ。
「やだーミサ、そんなの借りるの?」
(ミサ!!)
その名前だけで雄大は目を見開いた。
(まさか…そんなハズは…)
チラリと見ると棚の向こうには4つの足があった。
「でさーミサ、どうすんのよ。」
「どうって?」
「子どもよ、子ども。」
心臓がドキドキしてきた。
「そりゃあ、産むわよ。」
「えっ…でも…」
「だから一番、顔がよくて、収入もいい人に養ってもらう事にしたの。彼なら優しいし、私のわがままも聞いてくれるしね。」
雄大は膝をついて棚の向こうを見つめた。
「でも付き合ってたのちょっとの間でしょう?しかも、向こうから別れるって言ってきた奴でしょう?あんたの本性見抜いて。」
「何よ、本性って。違うわよ。何か好きな子が出来たからって言い出したのよ。私には落ち度ないわよ。でもあの人、私の誘いにも乗ってきたし。妊娠してみてわかったの。やっぱり安定が1番!それでいったら、あの人は収入もいいし、顔もいいし、私の将来、安泰でしょう?真面目で、責任感あるから、私が妊娠したって言ったら、受け入れてくれたしね。」
「わぁー、ひどい女に当たったわねー」
「えっー!でも妊娠は事実だしぃー。私、加藤ミサってなるなよ。」
(加藤!!?)
「はいはい、加藤ね。普通の苗字。」
「羨ましがらないでー。」
2人の声が遠ざかっていく。
雄大は顔を出す勢いで棚に近づいていると、DVDを見ていた男性が不審そうに見てきたので、雄大は近くにあったDVDを手に取って、「これこれ!」と冷や汗をかきながら、のれんから出て行った。
2人は特に何も借りなかったのか、自動ドアへと向かい、外へと出ようとしていた。
(追いかけなくちゃ!!)
ブーーー
「お客様!!?」
「あぁ!スミマセン!これ、これ借ります!!」
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