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ぶつかる2人
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「しゃ、写真って…?」
「あんたの上半身裸でベッドに寝てる写真だよ。」
外灯の光が上村の顔を映す。
「何の事…?」
「ふざけんな!あんたの携帯から今朝届いた写真だよ!」
(きゃー!やっぱり撮ってたのね!?)
「誰に撮らせた!?」
上村にぐんっと引っ張られ、雄大は顔を歪めた。
(何で上村君は僕なんだ….?)
ふと野上との会話を思い出した。
「ふふっ。」
雄大はつい笑いが出た。
「何で笑ってるんですか?」
血管が浮き出るまで握りしめている上村の手を見つめた。
「上村君、僕じゃなくてもいいよね?」
「えっ?」
雄大は余裕の表情で上村に顔を向けた。
「僕は男だ。今はそれが刺激的で、新鮮でそれがドキドキだって勘違いしてるんだ。でも考えてみてよ。そんなの一時すればやっぱり普通の女の子がいいに決まってる。君は若いからちょっと変わった事に手を出しただけだよ。上村君はカッコイイし、モテるんだし、可愛い女の子と….」
バシン!!
急に頬を叩かれた。
「痛っ、!」
雄大はぎょっとした。
目の前には今にも泣きそうな上村がいた。
「何で…何でそんな事言うんだよ。。」
一瞬、ウッなったが雄大はそれを我慢した。
「僕は君の未来を….」
「じゃああんたとあのオッさんとはどうなんだよ!」.
「オッさんって…成康さんはまだ若いよ!」
「あんな仮面かぶったような顔のオヤジ、絶対信用ならない!すぐにあんたも捨てられるよ!」
雄大はブチッと何かが切れ、上村の頬を拳で殴った。
バキッ
いい音がして、上村がヨロヨロっと雄大から離れた。
(あっ…)
雄大は殴った右拳を左手で隠し、立ち上がった。
「お、お前が成康さんの悪口言うから!」
「…いくらだって言ってやる!あんな完璧を装ってる奴!何であんな奴がイイんだよ!」
殴られた左頬を押さえた上村が吐き捨てるように言った。
「だって…好きだった言ってくれたし…」
バキッ!
口の中に血の味が広がった。
左頬を思いっきり殴られ、歯で口の端を切った。
「痛っ!んっ!!」
殴られてフラついたと同時に顔を掴まれ、唇を塞がれた。
目を開いているのにグルグル回っていて、何が起こっているのか分からなかった。
「んっ…んっ!」
雄大はもがいて、思いっきり、上村の身体を突き飛ばした。
雄大は反動でよろけて後ろに倒れた。倒れた拍子にゴミ袋が破れた。
「上…」
外灯に照らされた上村は泣いているんじゃないかと思うくらい悲しい顔をしていた。
「じゃあ、俺が先に好きったいったら、好きになってた?」
答えられない。今は成康と付き合ってると自分は思ってるし、好きだとも思っている。
もしかしてなんて答えれない。。
でもそれが言えなくて、雄大は喘いだ。
「どうにか言ってくださいよ!!」
再び胸ぐらを掴まれ、雄大は目を逸らした。
「だから…君は…何で僕なんだよ…」
「それは会った時から…」
雄大はハッとして、上村の言葉を遮った。
「とにかく僕の事はほっといて!西川ちゃんや野上さんと付き合えよ!あっちは上村君が好きなんだとよ!」
雄大は噛み付くように叫んだ。
(上村君が僕を好きな理由なんて聞いたら…また迷ってしまう…)
上村が怒っているのがわかる。
「何でそんな事言うんだよ!」
上村が雄大を引っ張り、涙が顔に落ちてきた。
「こらー!何やってんだ!!」
暗闇の中から店長の大きな声が聞こえてきた。
上村は苦々しい顔で雄大の胸ぐらを離した。
「ゲホッ、ケホッ!」
雄大は首を手で押さえた。
「う、上村君?」
上村は何も言わずに声をかける店長の横を通り過ぎた。
「大丈夫かい?雄大君。上村君と…何かあったのかい?」
店長に手を取られ、雄大は立ち上がった。
「ちょっと意見の行き違いです。大丈夫です。僕が…」
大きな背中のはずの上村の後姿が頼りなく揺れていた。
「僕が悪いんです。。」
ふと成康に借りていたシャツが破れて、ズボンが汚れているのに気がついた。
「僕が悪いんだ。。」
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