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突然の訪問者
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「よーーよー、おぼっちゃんよー。」
「………」
目の前に赤いネクタイをした男が立ちふさがり、少し身をかがめて、サングラス越しに雄大を見た。
「……何してるんです?黒田さん。」
「何だよ。もうわかったのかよ!」
「すぐわかりましたよ。全くもう。今忙しんで、失礼します!」
荷出しの段ボールを抱え、雄大は黒田を無視しようとした。
「てかお前、その金髪は何なんだ?」
黒田はぐしゃぐしゃと雄大の髪を乱した。
「もう!何なんですか!?やめて下さいよ!!」
両手のふさがった雄大は頭を振るしかなかった。
「あははっ!反抗期か?」
「もうっ!」
雄大は何とか黒田の手から逃げ、黒田に向かい合った。
黒田はサングラスを外し、飄々と笑っていた。
「??」
「あの目つきの悪いバイト生はいないみたいだな…」
ぐるりと店内を見た黒田は羽織っていた黒のコートに手を突っ込んだ。
「どこもクリスマスで溢れてんなぁー。」
「うちで買うもの無いなら帰って下さいね。今日は本気で忙しくなりそう…」
「お前!!」
ビシッと指を刺され、雄大は少しよろめいた。
「今から加藤を奪還しに行くぞ!」
「奪還…?」
「いや奪われたわけではないから、取り戻す?そう取り戻すだ!!」
「はぁ??」
雄大は全く話についていけなかった。
「取り戻す…って?」
「今から行けばまだ間に合う筈なんだよ。確か12時からだったかな?」
黒田が携帯を取り出して、ふむふむと頷いた。
「いやいや!」
雄大は黒田の携帯に飛びついた。
「取り戻すって…あの…」
「だからあいつの真意…そう真意を取り戻すだよ。カッコいいだろう?」
「真意?えっ?」
「さぁ、行こう!◯◯ホテルとかさすがセレブ。ほら、お前、その格好は寒いぞ。上着取ってこいよ。行くぞ。」
ちょっとコンビニに行くぞみたいな感じで黒田は歩き出した。
「い、、」
雄大はハッとして、黒田のコートを引っ張った。
「いやいやいやいやいや!」
「やいやい?何の掛け声だ?」
「いやいや!あの!何なんですか?全くわからないんですけど!」
息が上がった雄大を黒田は呆れたように見下ろしてきた。
「今日、加藤の見合いの日だ。」
「えっ?」
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