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2人の間に流れる沈黙。
Ωだとバレたんじゃないか、とかその前に、男だってバレたんじゃないか、とか。
僕を不安と恐怖で震えさせるには十分な沈黙だった。
「君……「ゆーーき!!幸っ!」
はっと顔を上げると、心配そうな顔をしたあやちゃんを見つけて。
一目散にあやちゃんの方へ、逃げるように走っていった。
あやちゃんの僕を呼ぶ声に助けられた。
ほっと安堵の息をつく反面、最初に考えたことは、助けてくれたのにあんな態度をとってしまったことへの、罪悪感だった。
***
「だから幸、朝ボロボロで来たのか。」
「うん…」
「でもすごいでしょ!?あの一谷先輩にお姫様抱っこだよ!?」
現在、お昼休みに入った学校は賑やかな生徒の声が飛び交っている。
勿論その中の一人である僕も、友達と屋上でお昼を食べていた。
僕とあやちゃんともう一人、菊池 美南(キクチ ミナミ)の3人だ。
「ま、確かにすごいね~。タイプじゃないけど。」
「私も違うけどね。」
「それがどうした」と言うような会話をする二人を見ながら、僕は考え込んでいた。
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