アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
16
-
目があった瞬間に、彼はキリッとした目を見開いた。
「…君………」
「あ?2人とも知り合いなのか?」
正直言って、気づかれたくなかった。
さっき考えていた恐怖が頭を占める。
どうしたらこの人と関わらないですむか、どうしたらこの場から逃げられるか…
手が微かに震えてきた。
僕はその場から逃げることしか考えられなくて、保健室から走り去ろうとした。
パッと足を踏み出した時に膝の傷が痛み、怯んだところで、足に何かが引っ掛かった。
「ぁっ……!!」
体が傾いて、来るであろう床からの衝撃に備えて目を閉じた。
………ん?
「あっぶねぇ…」
目を開けると、思ったより近くに整った顔が……
***
「そういうことだったのか。」
「はい……」
「だからって、こんな狭いところで走ろうとするな。現に、一谷に助けてもらってなかったら、お前更に怪我するところだったぞ。」
「それは……本当に、すみません…」
「お前もお前だ。普段からしっかり学校に来てないから、白河みたいないたいけな子を巻き込んで、怪我までさせるんだぞ?」
「すみませんでした……」
ただいま、絶賛黒田先生のお説教タイム中です……
走り出そうとしたは良いものの、CDプレイヤー(喘ぎ声が流れていた)のコードに引っ掛かり、転びそうになった僕。それを一谷先輩が抱き止めて、助けてくれた。
これがデジャヴと言うのだろうか。
更にパニックになり、逃げ出そうとする僕を先生が落ち着かせてくれたのはついさっきのこと。
それから、何故こうなったのかを2人して吐かされたのだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
19 / 54