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―――あぁ。面倒くさい。
香水の匂いを振り撒きながら、俺の周りをうろつく子たちにイライラする。
女も居れば、ちらほら男も居る。
別に偏見はないが、興味がないし邪魔なだけだからどこかへ行って欲しい、というのが本音だ。
授業が終わり、靴を履き替えるのに少し立ち止まっただけでこれだ。
誰だか分からない女が馴れ馴れしく話しかけてくるのを、適当に聞き流す。
教室に居れば、羨望、好奇、期待、嫉妬……色々な目が一斉に俺へ向けられる。
俺の何がそんなに良いのか。
顔?身体?成績?家柄?社会的地位?
どれも、俺がαだと言うだけで着いてきた、オプションだ。
俺自身の実力でも、俺自身の魅力でもなんでもない。
段々と卑屈になってきた考えを落ち着かせるのに、息を小さく吐き出して、頭にある子を思い浮かべる。
クリーム色の少し癖のある、触り心地の良い髪。
クリクリした大きい、不安そうに揺れる目。
震えながらも小さく、可愛らしい声を発する小さな唇。
1つ1つを思い浮かべると、自然に優しい気持ちになり、少しだけ肩の力が抜けた。
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