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いつの間にか、僕の後ろに立っていたチャラチャラした男の人は、逃げようと微かに足を動かした僕の肩を、間髪入れずに押さえ込んだ。
「…ここに来たらどうなるか知ってるでしょ~?」
三日月型に曲がり、ニコニコした……まさに胡散臭い笑顔を称えて、男の人は僕の顔を覗き込んだ。
より一層震える僕に構わず、男の人は楽しそうに体育倉庫の扉を開けた。
「……な、んで………」
そこには、何人かのいかつい男の人がしゃがんでいるあやちゃんを囲むように立っていた。
あやちゃんの小さな声は、酷く震えていた。
「おーおー。まさか天使連れてくるとはなぁ。」
「神田ぁ~やるじゃねぇかよ。」
神田と呼ばれた、僕の肩を掴んでいる男の人の方に、あやちゃんを囲んでいた男の人たちが集まってきた。
「はぁ~。きっれいな顔してんなぁ」
「うちの学校の女共が大事に守ってるのも頷けるな」
口々に感想を言いながら、僕の顔をじっとりと、品定めをするように見つめてくる。
居心地が悪くて、気持ち悪くて。
僕はグッと歯をくいしばって、俯いた。
チッと大きな舌打ちの音がして、突然視界に男の人の腕が現れて。
僕の顎を乱暴に掴んで、強制的に顔を上げさせた。
「逃げてんじゃねぇぞ!!」
今にも殴り出しそうなドスの効いた声で怒鳴られ、掴まれた顎も痛くて涙が滲んだ。
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