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そのスマホには
『俺は味方 少し待ってて』
と、簡素な言葉が写っていた。
目を見開いて驚いていると、また胡散臭い笑顔を浮かべて、パチンと音がして星がつくようなウィンクをして僕たちに背を向けた。
「せんぱ~い」
「あ?何だ神田」
「俺ちょっと外行っていいですか」
「何しに行くんだよ」
僕を捕まえてきたのが余程嬉しいことだったのか、いかつい男の人たちはみんな上機嫌だった。
そんな男の人たちを見て、彼の笑みが一層深くなったように見えた。
「ちょっとトイレ行きたくて」
「とっとと済ませて来いよ」
そして、愛想良く返事をして倉庫の扉を開けて出ていってしまった。
彼の言ったことを、果たして信用しても良いのだろうか。
あやちゃんの顔を見たくて、あやちゃんの方を向こうとしたとき――――
「じゃあ、俺らだけでお楽しみの時間を開始するか」
「あの女が俺らにした仕打ちを、反省してもらわなきゃなぁ」
カチッと音がした扉の方を見ると、内側から鍵がかけられた所だった。
あやちゃんと触れている肩がびくっと震えた。
僕たちは、いかつい男の人たちに完全に囲まれてしまった。
「はっ!怖いのか?」
「良いなぁ。俺、女のそういう顔好きなんだよ」
男の人が、あやちゃんの顎をグッと掴み、上を向かせた。
あやちゃんの目には恐怖が写っていて……
僕はとっさに、身体を捩ってあやちゃんの顎を掴んでいる男の人に体当たりをした。
油断していた男の人は、身体を仰け反らせ反射的にあやちゃんから手を離した。
「っ……!てめぇ…!」
ドッ!と鈍い音がして僕の身体は衝撃に耐えられず、ズザザザッと後ろに投げ飛ばされる。
じわぁ…と鈍い痛みがお腹に広がった。
「幸!!!」
あやちゃんの叫ぶ声が聞こえる。
軟弱な僕の身体は、1回蹴られただけで意識を飛ばすには十分な衝撃と痛みだった。
ぐらぐらと視界が揺れて、霞んできたところでグッと胸ぐらを掴まれた。
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