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黒田先生が出て行ったあと、呆然としていた風紀室の中が一斉に忙しなく動き始めた。
俺も我にかえって、先生を追いかけるため走り出した。
***
アイツ…なかなか速い。
ギリギリ黒田先生の背中が、角を曲がって行くのが見えて俺も同じように曲がる。
だが、この廊下の先につながるのは体育倉庫ではない。
黒田先生が、バッと保健室のドアを開け入っていくのが見えた。
追い付いた俺も先生に続いて保健室に入る。
「居ねぇ……」
入るなり、大きな舌打ちが聞こえイラついた様子の先生がこっちを振り向く。
「おい。白河も体育倉庫か?」
……白河も?
疑問に思うことは、結構あるが今は悠長なことは言っていられない。
「あぁ。入っていくのを見た」
「…わかった」
先生は、自分を落ち着かせる様に息をゆっくりと吐き出し、恐らく風紀関係のやつらに電話を掛け出した。
内容を聞いていると、元々幸ちゃんの友達が体育倉庫に居るかもしれない、という話でどう対処するか事前に決めて居たようだ。
電話を終えた黒田先生は、さっきの焦りが完全になくなりいつもの余裕を取り戻したように見える。
「今から、体育倉庫へ行く」
それだけ言うと、お前も来るんだろ?と言うようにこちらを一瞥した。
俺はそれを鼻で笑い、それを合図に体育倉庫へまた、全力で走った。
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