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「先輩はどうして私の家に居るんですか?」
「あぁ」
そういえば説明してなかったな、と先輩は苦笑しながら僕に事の顛末を教えてくれた。
体育倉庫へ向かう僕を一谷先輩はたまたま見ていて、心配になって追ってきてくれたこと。
神田という人に頼まれて、黒田先生と風紀の人たちを連れてきてくれたこと。
あやちゃんの怪我は、僕と同じ程度で酷くはなくて。
駆けつけたみなみと黒田先生に僕の家を教えられて、わざわざ送ってくれて、看病(?)までしてくれたこと……
など。
まだ気になることもあるけれど、つまりは、また僕はこの先輩に助けられたと言うことなのだ。
「にしても、幸ちゃんはよく巻き込まれるね」
先輩は僕の頭を撫でながら、面白そうに笑う。
「そ、そんなことは……ない…はずです」
「そんな自信無さげに言われても」
先輩の楽しそうな声。
その声に誘われるように、僕の頭を撫で続けている手に僕は、そっと自分の手を重ねた。
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