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それから、僕が気づいたのは高く日が上った後だった。
ヒートは昨日の事が嘘のように症状が軽くなっていて。
一谷先輩が、ヒートの症状を抑える抑制剤を飲ませてくれたのだと知った。
目が覚めても、先輩への申し訳なさや迷惑や…想いが溢れて泣いていた。
真っ赤になって、腫れた目を擦りながらよたよたとリビングへ行くと、そこには綺麗な字で綴られた置き手紙がテーブルにあった。
手紙には優しい先輩の人格を表すような、文字と言葉で僕の身体を気遣う言葉と、あやちゃんとみなみに連絡を取ってくれて、しばらく学校は休みだと伝えてくれたようだ。
そして、最後には『幸ちゃんが、男でも女でも、Ωだとしても俺は貴方を大切に思っています。』
そう書かれていた。
僕はそれだけでも凄く凄く嬉しくて、また涙を流しながら手紙を何度も何度も読み返した。
一谷先輩からもらった優しさで温かくなった気持ちを大切にしながら、僕はヒートが終わるまでの日々を過ごした。
それは本当に、幸せな時間だった。
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