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ヒートが収まり、学校に明日から行こうと思っていることを、あやちゃんとみなみに報告した(ヒートだったことは勿論秘密だ)。
すると、そのメッセージを見たみなみから電話がかかってきた。
LINEで言った直後で、何十秒もたっていないのにかかってきた電話に、驚いて危うくスマホを落としそうになった。
久しぶりに声が聞けると思い、嬉々として電話を取る。
「もしもし?」
『幸!!久しぶり!体調どう?』
「うん。もう大丈夫だよ」
『も~!心配したんだからね!?』
「ごめんね、迷惑かけて…」
『迷惑かけたのは私だよ…。やっぱり、徹底的に叩きのめしておくんだった』
「えぇ……」
みなみの恐ろしい程綺麗な笑顔が頭に浮かんで、思わず声が引きつった。
そこでふと、みなみが沈黙して、何故かその間が気になった。
『………』
「…みなみ……?」
『…明日から学校に来れるんだよね?』
「うん。どうしたの?」
『いや………』
みなみにしては歯切れが悪く、それが余計に僕の不安を煽っていく。
僕が学校に行っていない間に何かあったのだろうか?
そう考えを巡らした時に、一つだけ思い当たることが思い浮かび、サーっと血の気が引いていく。
思い浮かんだのは、あの事件があった夜。
僕が男でΩだとバレてしまったこと。
一谷先輩が……いや、まさか。
あの人はそういうことをする人ではない。
「何かあったの?…先輩のこと?」
『え?あいつ?』
混乱しながらも、みなみにそれとなく聞いてみる。
しかし、返ってきたのはいつもと変わらない調子のもので。
そっと息を吐き出して、それからは適当に話して。
その時以外は普段とさして変わらない、みなみとの電話は終了した。
布団に入って寝ようとするが、安心したはずなのに胸の奥の方がそわそわする。
漠然として掴めないモヤモヤしたものを抱えて、僕は眠りについた。
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