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前進
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「拓斗さん……、来てたの?」
「うん、ごめんな。会いたくなったから、来た」
「ううん、いいの。
ねぇ………………ありがと」
そんな風にお礼を言われるのはちょっと意外だった。
「ねえ、純、俺のことが嫌い?」
純は何て答えてくれるだろう。
「……嫌いじゃないよ、拓斗さん」
そっと俺の手を握り返してそう言った純は、きちんと俺の目を見てくれた。
嫌いじゃない。
別に好き、とは言ってくれてないけど、
今は一番嬉しい言葉だった。
こうして純が俺のことを拒絶せず、受け入れてくれた。
ほんの少しだけ。ほんの少しだけど、また前進した気がした。
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