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独裁
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「知りたいことなのに……知りすぎるのも良くないって…ほんと意味わかんねぇな。」
(でも何も知らなかったら、守れるものも守れなくなる。それはもっと嫌だ。
だけど知りすぎるのも良くないとしたら、
俺たちはどうすればいいんだ)
「そうだよね、どうすれば良いのか分からないよね。」
そう言いながら、シンヤがめくったページに書かれていたのは、刑吏について。
「まあ気を取り直して、ほら、ここを見て。
これが刑吏について。」
この世界で刑吏、というのは裁判官兼、死刑執行人というようなもので、天使や悪魔の犯した罪を裁き、悪魔を抹殺し、天使を堕天させる。
そういう仕事だった。
しかもその権限は強く、刑吏の独断で罪が裁かれることもあるらしい。
「……こんなの……、ただの独裁じゃねぇか」
ツキヤは呟いた。
「そうだね…刑吏の気分次第で自分たちの処分が決まったり、
知りたいのに知ることが出来ない。
知りすぎても良くない。
この世界は誰かの独裁で回ってるんだよね。
…天使と悪魔が恋をするのをすっごく嫌う、
気分屋の人たちの独裁でね。」
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