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6.離したくないよ-1
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壱成の部屋は白と黒を統一したシンプルな部屋だった。いつもそこに行くと、ユキジはホッとした。
その部屋には壱成の匂いしかしないからだ。
それだけで自分の家にいるよりも落ち着いた。
「座れ……」
「うん……」
でも、今はいつもの安らぎはそこには無かった。
逆に、壱成の部屋の匂いを嗅ぐと、動揺が激しくなる。逃げ場がない。そう思わされるからだ。
「お前、俺に何か言う事ないのか?」
「……言う事って?」
その返答は、壱成を更に苛立たせたようだ。
壱成はチッと舌打ちすると、ユキジをその場で押し倒し、強引に服を脱がし始めたのだ。
「いっ、壱成!」
「いいから脱げよ」
「や、ヤダ!」
ユキジは必死に抵抗した。でも、体力やその体躯の差は明らかで、抵抗は虚しい物だった。
「その痣……どうしたんだよ……」
「っ……」
全裸にされた身体をどうにか手で隠すが、それには限界がある。見られたくない部分は手で隠せないほどあったのだ。
無理矢理やらされたフ◯ラ。その時に思い切り両膝を床に打ち付けたせいで、クッキリと痛々しい痣が赤黒く残っていた。
それと、さっき見られた脇腹。そこも、壱成の目に晒される。
「なんでこんな……」
「見ないで……」
ユキジは身体を丸くして、全てを隠そうとしたが、もう意味は無い。
泣きながら脱がされた服に手を伸ばし、それをギュッと抱く。そして、震える手で着替えようとした。
「ユキジ……」
「っ……」
でも、それを壱成がさせなかった。壱成の声が優しく聞こえたのだ。
これは幻覚。妄想。勘違い。
自分の願望なのだろうか。
「ユキジ……」
でも、もう一度名前を呼ばれ、ユキジは恐怖心を抱きながら壱成の顔を見た。
その顔を見て、ユキジは壱成の身体にしがみ付く。その身体を、壱成は突き放す事はせず、ユキジの震える身体を力強く受け止めてくれた。
「いっせぇ……ッ」
そして、壱成の腕の中でユキジは泣いた。
今まで我慢していた物や、壱成への罪悪感が全て込み上げたのだ。
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