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6.離したくないよ-2
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離したくない。
この男を。大好きなこの人を。
「ぼく……っ……僕……ッ」
ユキジは優しく抱き締めてくれるその壱成の逞しい身体に必死にしがみ付き、全てを話す覚悟を決めた。
嫌われたらどうしよう。
そう思ったが、このまま隠し通す事はもうできない。
こんな悲しい顔をした壱成を見たくはない。
「ラウルに……」
「あぁ。大丈夫。落ち着いて話せ……」
「うっ……」
優しく頭を摩り、「大丈夫だ」そう言ってくれる壱成。
その言葉は魔法のようにユキジの心を軽くした。
ユキジは泣きながら、嗚咽を混じり話し出す。ゆっくりと、ラウルになにをされたのかを話す。
「ラウルにキス……された……」
そう言うと、壱成の手が止まる。
「な……に……?」
「指……挿れられて……イッちゃった……ッ」
無理矢理だった。本当に強引だった。でも、ラウルの指でイッたのは事実。
紛れも無い事実なのだ。
「ごめんなさいっ……ごめんなさい……っ」
ユキジは縋りながら何度も謝った。
嫌われたく無い。拒絶されたく無い。その一心だった。
「ユキジ……」
「抵抗したけど……無理で……っ。脅されて……」
言い訳のように聞こえる言葉。
壱成は本当にこの言葉を信じてくれるのだろうか。そう思うと、ユキジは怖かった。
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