アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
9.心強い恋人さん-3
-
ユキジは壱成の胸板を力強く押すが、ビクともせず、舌も入れてきた。
そんな二人の姿を、ラウルだけではない。周りの人間も見ているのだった。
監督は、「おおっ!」っと言って興味津々で、周りのスタッフも同様で、女性スタイリストや各マネージャーからは黄色い声が聞こえた。
「ンッ……はぁ……っ」
唇が離され、口の端からは二人の唾液が付着していた。それを、壱成が指で拭い、ユキジの身体を強く抱き締める。
「こいつは俺のだ」
「ユ、you……」
ラウルは信じられないと言う目を壱成に向ける。
こんな大人数の前で堂々とキスするなんて、正気ではない。自暴自棄にでもなったのか。
ラウルが日本人だったらそう言って来たかもしれない。
「なんだいなんだい、君達やっぱり付き合ってたの?」
「はい」
「なんてね。いやいや、次の作品は君達のラブ物で行きたいと思ってたんだ。よかったー、君達二人がじゃれ合いの中キスができるほど仲良しで。これで次回作も二人に頼めるよ。壱成君、ユキジ君、ありがとう!」
「え……?」
「はい。よろしくお願いします」
訳がわからないユキジ。
それはラウルも一緒だったようで、目が点になっていた。
周りは監督が壱成とユキジに話しかけに行ったのを見て、これが作品の何かに必要とでも思ったのか、気にせず自分達の持ち場へと戻った。
「どういうつもりだ?」
でも、ラウルだけは違った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
122 / 137