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8.泣き出すユキジ-3
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その瞳に、ユキジの心がユラユラと揺らぎ出した。
演技でしてる事なのに、上野になりきれなくなっている自分がいる。
「っ……」
もどかしく、壱成の気持ちが離れてしまったようで心が切ない。
演技だと分かっているのに、壱成の演技が良すぎて飲み込まれそうになる。
悲しい。とても、悲しい。
「お、おい……」
「うー……っ。む…り……」
ユキジは我慢ができず、壱成に跨りながら泣き出してしまった。
ポロポロと子供のように。
「できなぃ……ぼくっ……もう…できない……」
演技だと分かっていても、役の台詞だと分かっていても、壱成との距離が遠く感じて悲しくなる。
それに、壱成の猛ったペ◯スが熱くゴリゴリとお尻に押し当たっているので、それが欲しくなっている欲求が恥ずかしくて、でも、欲しくて、そんなよく分からない葛藤が怖くもあった。
セッ◯スも初めてで、騎乗位なんて事も知ったばかりのユキジにとって、やはり、このシーンは難しい。
「泣くなよ」
「ぅ……うえーん……」
ても、そう言われると尚更涙が出た。
こんな風に声を出して泣いたのは初めてだ。
「お、俺が悪かったからさ……。なっ、もうしなくていいから」
壱成は子供のように泣いているユキジを見て戸惑い、上体を起こし、優しい言葉を掛けながらユキジの頭を撫でた。
その優しさを感じ、ユキジは泣き噦る中、小声で告げる。
「あ……呆れた……?」
役になりきれなかった自分が、そして、こういった事に経験がない自分を知り、呆れられたとユキジは思った。
「え? 呆れてねーよ」
「で、でも……」
ユキジは嘘だと目で告げる。
そして、こんな事もできないのかと言っても良いのだと小声で言った。けれど、壱成は言葉よりも先にユキジの細い身体を抱き締めてくれた。
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