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1.愛され過ぎて少し怖い-4
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そう言うものは、秋幸みたいな誰からも愛されている人間にだけ必要な物だ。
「こんな僕……好きだって言うの壱成くらいだよ……」
地味で暗く、顔は日本人なのに目だけはサファイアのように青い。そんな不気味な顔を、壱成だけは好きだと言う。母親にも捨てられたこんな自分を。
「いっ、壱成こそ……ヒロインの子すごく可愛い子じゃん。あんな可愛い子に迫られたら断われないんじゃない?」
と、言って傷付く心。
自分で言っといて一人で傷付いてるなんて、馬鹿みたいだ。でも、もし、その子に言い寄られて壱成の心が変わったら。そう思うと怖い。
「はあ? あんなレベルの女が可愛い? ありえない」
「え?」
「俺、お前よりもこの業界長いんだけど、知ってるよな?」
「そ、それはそうだよ! し、知らないわけないよ!」
そんなの当たり前だ。
壱成の事はドラマで共演するよりも前から、テレビ画面で何度も見た事がある。
あと、CDショップ屋とか、駅の中に貼られた巨大なポスター。それに、ドラマや映画の主演が決まれば見ない日はない。
「アイドルも女優も俳優も、男も女も、飽きる程見て来た」
「そ、それも知って……」
「なら、分かれよ。言い寄られてもなんとも思わないんだって」
「え……?」
「心が欲しいって思ったのも、誰にも譲りたくないって思うのも、お前だけなんだよ、俺は」
「!」
その発言に、ユキジは顔を真っ赤に染める。
「ほ、ほんとに……?」
今、とてもすごい発言を言われたのではないだろうか。壱成の顔を見ると、少しだけ赤くなってるのが分かる。それを見て、ユキジも更に顔を赤く染めた。
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