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3.思い掛けない存在-3
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ユキジは壱成の背に腕を伸ばし、ギュッとそのシャツを握った。
久しぶりの壱成の体温と匂い。それだけでも、ドキドキしてしまう。
早くこの腕の中に収まりたい。布を挟まず、お互い素肌で。
「あー、くそっ……」
「え……?」
そう口走りながら、壱成がユキジの身体を剥がした。その行為に、ユキジは不安になる。
「抱き締めなきゃよかった」
そして、その言葉を聞き、更に泣きそうになる。
「な、なんで……」
「仕事前なのに無茶苦茶に抱きたくなったからだろ」
「ンッ……」
「……ハァ。キスもこんなのじゃなくて、もっとディープなのがしたくなる」
「ぼ、僕も……」
ユキジは、自分に対する壱成の想いが薄れていなかった事に安堵しながら、赤面する頬を両手で押さえる。
そんな時、トントントンッと三度、ドアが叩かれる音が聞こえた。その音に、二人は大袈裟くらいに距離を話した。
そして、スタッフが顔を出し壱成を呼ぶ。
「すみません、壱成さん。監督がメインの3人とお話しがしたいそうで、会議室5に来て下さい」
「分かりました」
壱成がスタッフにそう返事を返すと、スタッフは頭を軽く下げて急いで戻って行った。
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