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「いらっしゃいませー」
来るたびに聞こえてくる半分やる気のないような高校生ぐらいの年頃のバイト店員の声を聞きながら、借りるDVDの物色を始めるために店内へと歩を進める。
いつも通りのルートを回る。
邦画や洋画、ドラマやドキュメンタリーのコーナーをめぼしい物を物色しながら通り過ぎ、普段は絶対と言っていいほど踏み入れないアニメのコーナーにまで足を運ぶ。
しかし、見たいと思うものがない。
その場を離れ、ホラーやオカルト、バイオレンス映画の配置されている店の奥まった場所に差し掛かる。
(……こういうときって……、何が見たいのかわかんないもんなんだな……)
「……はぁ……」
思わず、ため息。
一人になった直後に、心が動揺したまま一人だけで来たのは初めてだった。
さらに気がそぞろになっているのか、見たいものも未だに見つからない。
(いっそのこと……ホラーかな……。でもここのホラーとかオカルト物、ほとんど見ちゃったからなあ……)
更に二、三歩歩くと、目の端に黄色が飛び込んでくる。
それは成人のみが入ることを許された場所、……『アダルトビデオ』と呼ばれるジャンルのコーナーを仕切るカーテンだった。
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