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その言葉に、千尋は思わず絶句して千丈の顔を見つめてしまう。
目があった瞬間に綺麗な笑顔で笑われて、思わず目を反らす。
……目を合わせていられなかった。
「少し、俺の話をしてもいいかな……」
自分自身を落ち着かせるように湯呑みを手にして、千丈はお茶を一口飲んだ。
「君を騙す気も、どこかに閉じ込めてどうにかしようっていうつもりも全くないことは嘘じゃないから、信じてね」
湯呑みに視線を落とす。
「……今日、カフェで泣いている君を偶然見つけたんだよ。フラれた後だったし声かけるかどうか悩んでたらそのうち立ち上がって千尋クン、ふらふら歩きだしたんだ。なんか、それ見てたら心配になってね。つい後を追いかけた。追いかけてるうちにあのレンタル屋さんに入ったんだけど、中で君を見失っていろんなところを探してたら出てきたところでぶつかっちゃってね……。本当にあのときは痛い思いさせてごめんね」
苦笑いする千丈に、千尋は何も言えない。
「ぶつかって散らばったディスクまとめて渡そうとしたときに前に俺が出たヤツ持っててくれてすごくうれしくなった。その時にほんとに一瞬だったけど顔見ることができて、よく見たらやっぱりかわいいなあって思って、外で声を掛けて、それで……今に至るんだ……」
よく考えたら俺、ハタ迷惑なただのナンパ野郎だったね。
顔を真っ赤に染めながら自分にあったことを伝えて苦笑いを浮かべた千丈は、自分を落ち付かせるようにお茶を一口飲んだ。
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