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「……どう、かな……」
うかがう様な顔になってしまった千丈。
そんな彼と目が合って、千尋は金縛りに遭ったかのように急に動かしづらくなった。
だが、身体を何とか動かして、千尋は一度だけ首を縦に動かす。
声は出そうもなかったが、それくらいならなんとかできそうだったからだ。
「(首を……縦……ってことは……)……え、ほんとにいいの!?」
思わず歓喜の声を上げながら立ち上がってしまった千丈に、千尋はもう一度頷いて見せる。
一度頷いてしまったら、なぜか強張った身体は自由に動くようになった。
「やったっ! ありがとう! 千尋クン!」
「その……俺なんかで、いいなら……」
苦笑い、と言った方がしっくりくるような顔のままで笑うと、千丈は少し困ったような顔をする。
「俺なんか、なんて寂しいこと言わないで? 俺は千尋クンにOK貰ってすごく嬉しいんだから」
へへ、と明るくなった千丈の表情を恐る恐る見て、つい千尋も顔の筋肉を緩めて笑顔を作ろうとした。
しかし、どこをどう頑張ってもちょっとだけ明るい苦笑いのまま、と言った体裁の表情になってしまったが放っておくことにした。
「千丈さん……、俺ね……」
今すぐにでも泣いてしまいそうな声を上げ出した千尋を、千丈はゆっくりと笑顔を消して静かに見つめる。
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