アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
4
-
にゅっと諭吉の手が伸びてマグロをガシッと掴む。
「あ、こらっ」
西島は諭吉を押さえて、マグロを皿に入れ替えて床に置いた。
「マグロ!マグロ」
諭吉はマグロをアニアニと食べ始めた。
ムニャムニャと食べる姿が可愛い。
動画で見た猫もマグロうまいなあ~と言ってるように聞こえたし、
うん、そうだ!
そう聞こえるだけだ!
「マグロ~美味かばい」
えーーーと、
九州弁?
諭吉から聞こえてくる言葉は九州弁っぽく聞こえる。
「博多弁?」
んな、わけないよな。うん!
「肥後や」
肥後?
あんたがたどこさ?
肥後さ、
肥後どこさ?
熊本さ、
………………………………くまもとおーっ!
頭にもんもんも~ん、くまもー〇と黒い色で眉毛と赤いホッペが印象的なゆるキャラが浮かんだ。
ちがう!
ちがうだろ!
いま、猫と会話したよな?
諭吉をじーっと見つめる。
ガツガツ食べた諭吉は食べ終わったみたいで、
「マグロ美味かったぞニッシー」
と言ってくるりと向きを変えて寝室へとトタトタ足音をさせながら走って行った。
ニッシー?
あ、西島?
俺か?
食べ終わった皿を床から持ち上げて皿を見つめる。
えーーと、
今、何が起こったんだっけ?
諭吉がマグロを美味いと言って、
話した言葉は肥後で、熊本で、
うーーん。
西島は考え込む。
猫って方言喋るのか?
いやいやいや、
ないないない!
皿をシンクへ置くと寝室へ戻った。
諭吉は碧の側で毛繕いをしている。
ペロペロと舐めている姿は可愛い猫。
やっぱり自分の幻聴だと思い込ませた。
「ん~~」
碧が寝返りをうち、パチリと目を開けた。
西島と目が合って、
「あ、すみません僕寝てました?」
と慌てて起き上がる。
「ちょうど、お粥が出来たから食べなさい」
西島は寝起きの碧にきゅーっと胸を締め付けられながらテーブルをベッドに近づけた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
45 / 639