アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
想い2
-
【side孝哉】
俺は温和を呼んだ。話たいことがあったんだけど、いつも淳が傍にいるし時間が作れなかったから、今日はチャンスだと思った。
「話って何?」
「相変わらず冷たいな…」
温和は昔からクールっていうか感情表現が少ないっていうか…俺とは正反対
「千のことだよ」
「千?」
ピクリと眉毛が動いた。
「お前ら付き合ってるんだろ?」
温和の眉間に皺がよる
「知ってたのか?」
「あぁ、お前と付き合う前に千が淳のトコに泣きついてきたからな」
「泣きつく?なんて?」
「お前と離れるのが嫌だって。お前のことが好きだけど、どうすればいいかって。あの時の千、スッゲー泣いててさぁ。俺と淳で相談にのったわけ」
まぁ、ほとんど淳だけど…
「そうか…」
温和が微笑む
へぇ…こいつこんな顔もするんだな…
いつもなら絶対に見せない優しい顔
「お前と付き合うってなった時にまた報告にきて、大喜びしてたよ」
「で…こっからが本題」
「なんだ?」
「千はさ、まだ物心つく前に母親を亡くしてさ。あの広い屋敷で一人でいることもあったりして…でも寂しいとも言わなかった」
「…」
温和は何も言わない。ただ、静かに聞いていた。
「そんな千を俺たちは守ってやろうって決めたんだ。特に淳は千を大事にしてた。 家をでてからもずっと気にしてる」
「だから許してやってほしいんだよね。淳のこと…」
「何のことだ?」
温和は意味がわからないようだ。当たり前か…
「温和、仕事大変だろ?」
「まぁ…」
「実は淳が仕事、回してるんだよね。」
「…はっ?」
「俺が思うに、お前のこと、試してんだと思うよ。かわいい弟に相応しい男か。」
そうなんだよな~
入社して間もない温和にこんなに仕事を回すはずはないんだ。普通は…
これは完全に個人的な理由だ。
「お前も出来ちゃうからさぁ…」
悔しいことに、温和は仕事ができるんだ。
「まぁ、がんばれ」
俺にはどうにもできない(笑)
「そういうことなら、仕方ないな」
温和の顔つきが変わった。
「千とのことは認めてもらわないと困る」
なんか燃えてるな~温和ってこんな熱いヤツだっけ?
「お前、変わったな」
「そうか?」
「ん~何となくな…
そういえば、千も変わった。前より可愛くなっただろ」
沈黙…
「千に手を出すなよ。」
スッゲー睨まれてる…
「お前、やっぱり変わったよ。」
それだけ、千に惚れてるってことか…
「話はそれだけ。千を大事にしろよ」
「あぁ、サンキュー。じゃあ」
温和が出て行った。
やれやれ、もうすぐうちのお坊ちゃまも帰ってくるな。温和に話をしたことは内緒にしておこう。あとが怖い
「ただいま、孝哉。どうかした?」
「なんもないよ。」
淳を笑顔で迎え入れ、俺はいつも通り、秘書の仕事に戻った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
11 / 107