アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
クリスマス2
-
21:00
本社内にはまだ、チラホラ明かりが灯り、仕事をしている人達がいた。
温和も頑張っているのかな…?
「榊原、ありがとう。俺、中で温和を待ってるから帰っていいよ」
「では、温和くんに、連絡を入れておきます」
そう言って、携帯を取り出した榊原を俺は止めた。
「だめ。温和まだ、仕事中だから。
俺が、勝手に押し掛けて来たんだもん。
迷惑かけることはしたくない。
…お願い。温和には言わないで…」
榊原に頼み込む。しばらく思案していた榊原だったけど、
「わかりました」
と了承してくれた。
榊原を帰し、俺は本社内のロビーの椅子に座って、温和を待つことにした。
本を読んだり、携帯をみたり、ゲームをして時間を潰す。
「さむっ…」
暖かい服装に身を包み、完全防備で来たつもりだったけど、暖房の入っていない室内は寒く、じっとしていると、じわじわと
寒さが身に凍みてくる。
「温和、まだかなぁ…」
時計を見ると、22:00
薄暗い室内は静まり返り、ひとりぼっちの寂しさを感じる。
「平気、平気! 独りなんて慣れてるし!」
わざと、大きな声で言ってみる。
けど…
しーんとした室内に俺の声だけが響き、更に寂しさが募った。
「温和…早く会いたいよ…」
温和と付き合うようになってから、いつも甘やかされて、俺は弱くなったみたいだ。
独りでも平気だったのに…
今は温和に会えないことが、こんなに辛い
「23:00か… 温和…」
不安だよ。
もしかして、もう帰ってしまったんだろうか…
もしかして、他に好きな人ができて…それで、今はその人と一緒にいて…
嫌な想像ばかりが浮かんで来て、
涙が溢れた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
59 / 107