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クリスマス30
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【side淳之助】
出ていった温和が戻ってきた。赤い顔をした千をつれて…
「千、どうしたんだい?」
温和の眉間に皺が寄っている。
「酒を飲まされたんですよ。孝哉に」
何をやっているんだ、あいつは…
温和は水を取ってくると、千に飲ませる。
大人しく水を飲んでいた千が、コップを置くと、俺から温和を隠すように両手を広げた。
「兄さん、温和は俺のだから、取っちゃダメ !!」
なんだ?突然?
温和も不思議そうにしてる。
「兄さん、温和のこと好きになったの?
二人で何の話をしてたの?
温和のこと好きでも、俺、渡さないから」
ギュッと温和に抱きついている千之助は可愛いけど、ちょっとね。
「千はいつから、そんなことを言うようになったのかな?お仕置きが必要だね」
俺が微笑めば、千の顔が強ばる。
「今まで千にプレゼントした物、ぜーんぶ没収」
俺がそう言えば、慌てて謝る千。
「じゃあ、俺のこと好き?」
「うん !! 好き !! 大好き !!」
《じゃあ、温和とどっちが好き?》 と聞こうとしたけど、やめた。千を困らせるのは、わかってるしね…
「俺はね、千が温和、温和って全然構ってくれなくなったから、寂しかったんだよ。だから、温和とどうやったら俺も千と一緒にいれるか、考えてたの」
そう話せば、千は申し訳なさそうに俺に近付き、俺を抱きしめる。
「ごめんなさい、兄さん。俺、勘違いして…でもね俺、兄さんのこと大好きだから、いつでも会いに行くよ」
こうやって言ってくれるなら、まぁいいか。二番目でも…
しばらく俺に千を取られても、我慢してた温和だけど、さすがに痺れを切らしたようだ。
「千、おいで」
どうしようか迷う千に、行っていいよと伝えれば、嬉しそうに温和の胸に飛び込んで行く。
酔った千はいつも以上に甘えん坊で
「温和…抱っこして」
ソファに座った温和に跨がり、スリスリ身を寄せて甘える千が可愛かった。
「大きな子どもだね」
でも、昔の千之助に戻ったみたいで嬉しい
俺が微笑み言うと、千が反論する。
「いいの。温和は今の俺が好きって言ってくれるから。そのままの俺でいいんだもん 」
「そっか」
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