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K01 : 熱の入江 33
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「ん、あ……っ」
握り込まれたまま親指で先端を弄られる度に、もどかしい快感がじわじわと生まれては重なっていく。
ぬるぬると先走りを絡ませるように指の腹で円を描かれる。その弱い刺激がもう堪らなくて、お腹の下の方に何度も力が入ってしまう。
焦らされて勝手に揺れる腰は、もう片方の手で動きを押さえ込まれる。
「 ─── ちょ、まっ……、んッ」
言葉ごと唇を塞がれて舌を強く吸われる。それだけで蕩けそうに気持ちよくて、意識がするすると引き摺り込まれていく。
身体の震えが止まらないのは、熱が出る前の悪寒のようだ。
余計なことを全部忘れて、俺はただ与えられる感覚に身を委ねてしまってた。
ああ、これだ。
俺はずっとずっと、この感覚が欲しかったんだ。
「多田さ、ぁ……ッ」
滴る先走りを絡め取られて拡げるようにゆっくりと扱かれていく。
それだけでもう我慢できないぐらい気持ちよくて、何度も喘ぎ声を漏らしてしまう。
「ダメ、あ……、あっ」
身体の中から波のように何かがどんどん押し寄せてきて、上擦った声が零れていく。
どうしよう、もうイキたい。
緩やかに与えられる快楽に堪え切れなくて、もっと強い刺激を求めて腰が揺れる。
「─── は、あっ、ぁ……ッ」
息を吐くことで少しでも熱を逃がそうとするけど、うまくいかなくて。
俺の顔を見下ろしながら、多田さんはうっとりするような微笑みを浮かべる。
「楓くん、じっとして……」
からかうように甘い声で低く囁かれて、それだけでまた身体が震える。
どうしてそんなことを言うんだろう。もっと欲しくて堪らないのに。
少しの刺激でこんなになるほど感じてるのが恥ずかしくて。今にも達しそうなのを必死に我慢しようと俯いて視線を泳がせるけど、やっぱりどうしようもなくて。
緩やかに送り込まれる快楽は、真綿で首を絞めるようにじわりじわりと俺を追い詰めていく。
きれいな顔がそっと近づいてきて、いつの間にか目尻に溜まっていた涙を舌先で掬われる。その感覚にまたびくりと大きく反応した俺の昂ぶりから、突然掌の感触がなくなった。
「 ─── あ……っ」
何の前触れもなく熱を失って淋しさに顔を上げれば、多田さんが着ていた白いバスローブをぱさりと脱ぎ落とすのが目に入る。
身につけているものがなくなって現れたのは程よく筋肉のついたきれいな身体で、均整の取れた美しさにどぎまぎしながらも見惚れてしまう。
チュ、と音を立てて唇を啄ばまれた拍子に覆い被さるように組み敷かれて、至近距離で見下ろされる。
熱を浮かべた瞳に呑み込まれてしまいそうで、恥ずかしくて思わず顔を反らせば、そのまま耳元に唇が寄せられて耳朶を食まれる。
小さく喘ぎながら身体を捩らせると、柔らかな弾力の唇がそのまま首筋を伝い降りて、鎖骨をなぞって胸まで辿り着いた。
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