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K01 : 熱の入江 36
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自分の中からじわりと何かが浸み出していくみたいだ。
もっと強い刺激が欲しくて、涙が滲んでくる。意志とは関係なく疼く中は、質量を求めて自分でもわかるぐらいにいやらしく蠢いていた。
「や、あっ……、多田さ……」
なんて意地悪な人なんだろう。でも何をされたって愛おしさが増していくばかりだ。
こぼれる喘ぎ声のトーンは高くて、こんなにも余裕がないことが恥ずかしくて。
じわじわと与えられる快楽を必死に断ち切って強引に起き上がれば、多田さんはちょっとびっくりしたような顔をした。
「どうしたの?」
ああ。ただ見つめられるだけで、どうしてこんなに胸が高鳴るんだろう。
この人が俺のことを求めてくれてるなんて、大袈裟じゃなく奇跡だと思った。
「俺も多田さんのこと、気持ちよくしてあげたい。俺だけよくしてもらってるなんて、ダメだよ」
熱に浮かされて掠れる声を絞り出すようにそう言えば、多田さんは何も言わずに少しだけ目を細めて魅惑の微笑みを浮かべる。
甘やかな情欲の滲んだその眼差しに、俺は容易く囚われてしまう。
目線を合わせたまま唇を重ねて軽く舌を絡ませながら、多田さんの上体に体重を預けるようにゆっくりと押し倒した。
息継ぎをするみたいに、何度も唇を離しては重ね直して。唇も、舌も、肌も。合わさる部分から感じたことのない感覚が生まれては全身をやわやわと刺激するように拡がっていく。
ただキスしてるだけでこんなにも気持ちいいなんて、嘘みたいだ。
終わらせるのが名残惜しくて小さな吐息を絡ませるように唇を離していけば、そんな俺を見て多田さんが優しく微笑む。
余韻に酔いしれながら、俺は多田さんの首筋に唇をそっと押しあててみる。
️キスを落としながら首筋から鎖骨を辿り、きれいに筋肉の付いた胸もとに舌を這わせる。脇腹に軽く吸い付けば、多田さんはそっと息を吐いて俺の頭を撫でてくれた。
欲しかったものをようやく手に入れた子どもみたいにくすぐったい気持ちを抱きながら、丁寧に身体を辿っていく。
そのまま下の方へと降りていけば、硬くそそり勃つものが目の前でしっかりと欲を主張してた。
ちゃんと欲情してくれてるんだと思うと、すごく嬉しくて。
掌で包み込むように握りしめて、ちゅ、と音を立てて先端にキスをする。
そのまま大きく口を開けて舌を這わせながらゆっくりと奥まで含んでいけば、俺を煽るように大きな熱い塊が口の中で生き物みたいにピクリと動いた。
根元の辺りを握って上下させながら、軽く吸い上げるように扱いていくうちに、頭上から快感を逃がすように息を吐く音が聴こえてくる。
早く挿れてほしくてたまらないけど、その前に多田さんを気持ちよくしてあげたいと思った。
俺がどれだけ多田さんのことを求めてるかを、ちゃんとわかってもらいたくて。
そっと顔を上げて様子を窺えば、こちらに向けられた静かな眼差しが、ゆらりとくゆるように揺らめく。
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