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K01 : 熱の入江 38
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逃げていく腰を掴まれて、強く引き寄せられる。
内股にそっと息を吹きかけられれば、くすぐったい刺激に鼻から甘ったるい声が抜けていく。
「ほら、じっとして」
無理だよ。だってもうこんなにも身体が疼いてる。肌が痺れたようにわなないて、震えが止まらない。
多田さんにちゃんと感じてほしいのに、下半身に意識が全部持っていかれておろそかになってる。
頬張ってる熱い昂ぶりを舌を絡めて舐め上げながら、それ以上はダメだと訴えたくて小さく首を横に振れば、多田さんが微かに笑う気配がした。
「ん、ぅ……っ」
急に脚の付け根に吸いつくようなキスをされて、反射的に背中が仰け反った。
多田さんはそこに舌を押しあてながら、俺の中に挿れてる指をぐるりと掻き混ぜだす。
たったそれだけのことで、熟れた中が緩々と蕩けていくのが自分でもわかった。
「 ─── あ、あぁっ」
蠢く指先が1番いいところを掠めた途端身体が跳ね上がって、含んでた多田さんのものを口から出してしまう。
指の本数を増やされて、そこを中心に押し込むように刺激されていく。
「……ん、ふ…ぁ、ダメ……ッ、ああっ」
信じられないぐらいの快感に襲われて四つん這いのまま後ろを振り向けば、俺の内股をゆっくりと舐めながら中に挿れたその手を卑猥に動かす多田さんの顔が目に入った。
わざとこっちに流してくる視線が汗ばむ身体にねっとりと纏わりつく。それに煽られて、感じる快楽はますます増長して、止まらなくて。
もう俺は多田さんに奉仕する余裕なんてなかった。いやらしい水音が鳴り響く度に耳元まで犯されて、じんじんと身体の内側まで浸透していく。
「あ、あっ、う……ァ」
ぐちゃぐちゃに掻き回されながら指の腹で弱いところを執拗に擦られる。
今まで感じたことのないぐらい強い感覚に襲われて、はしたなく腰を揺らして。それでもこの快楽をやり過ごすことなんてできない。
だらしなく開いてる口から唾液が零れては多田さんの脚の付け根を濡らしていく。
「多田さ……、あ、も……ッ」
「楓、こっちもすごく濡れてるよ」
さらりと卑猥なことを言って、多田さんは脚を抱え込んだままその手で俺のものを緩く扱きだす。にちゃにちゃと響く濡れた音を耳が拾って、ぞわぞわと何かが背筋を這いずっていく。
2つの場所を同時に攻められれば下半身が強張って、痺れを切らしたように小刻みに震えだした。
「ああッ、は……あ、あっ」
今までこんなことをいっぱいしてきたはずなのに。
どうしてだろう。すごく恥ずかしくて、自分の身体なのに自分のものじゃないみたいにふわふわしてる。
触れられてるところも、そうじゃないところも気持ちよくて堪らない。
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