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K01 : 熱の入江 39
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俺の半身を扱きながら多田さんの親指が、先端の窪みに触れる。
「ほら、知ってる? 楓のここ……さっきからずっと零してる」
くちゅりと水音を鳴らしながら低く囁かれて、また快感が身体の奥からせり上がってくる。
小さく喘ぎながら、俺は頭の片隅で確信していた。
ああ、多田さんはきっと言葉で追い込んでいくタイプなんだ。
奥を強く指で圧迫されたまま先端をぐるりと親指で弄られた瞬間、中が勢いよく収縮して、俺は大きな声をあげながら二度目の熱を放ってしまってた。
「 ─── は……ぁ……ッ」
乱れた呼吸を繰り返しながら、自分の身体をとうとう支えきれなくなって多田さんの脇に力なく横たわる。
余韻に浸りながらぼんやりと横を向いて、多田さんの脚に擦り寄ってそっとキスしてみたら、ガチガチに勃ち上がったそこが目に入ってふと我に返る。
「うわ、ごめん……!」
多田さんのことをほったらかしにしてしまったことと、何も考えないまま自分が放ったものがきっとこの身体のどこかに掛かってることに今更ながら気づいた途端、急に申し訳なさでいっぱいになってくる。
結局、俺ばっかり気持ちよくしてもらって、この人に何も返してない。
慌てて起き上がった俺を見て艶やかな笑みを浮かべながら、多田さんは片腕を伸ばしてそっと頭を引き寄せてくれる。
「多田さ……」
名前は最後まで呼べなかった。唇が合わさって、するりと滑り込んできた舌を俺はしっかりと捕らえる。
口の中で舌を絡ませながら深く深く貪り合えば、意識がとろんと溶けだすように揺れていく。
力がうまく入らなくて、飲み込み切れずにだらだらと溢れる唾液まで絡め取られてしまう。
思うように動けない気怠くて緩い感じが、すごく心地よかった。
うっとりと余韻に浸りながら唇をそっと離す。枕元に手を伸ばした俺は、ボックスティッシュから何枚も引き抜いた紙を重ねて、多田さんの肩先で光る白濁を拭っていった。
なんかすごい飛んでるんだけど。もう、なんかめちゃくちゃ申し訳なくて、恥ずかしくて、いたたまれない。
「多田さん、ごめんなさい。ベタベタするよね。シャワーで洗い流す?」
顔を覗き込みながら謝れば、多田さんはしばらく黙ったまま俺をじっと見つめる。
あれ? ちょっと待って。
「 ─── うん、そうだね」
少し苦笑して口を開くその顔は、こんなことになる前の多田さんに戻ってしまったみたいに見えて。
なんとなくこのまま、なし崩しに終わっちゃう雰囲気なんだけど。
まさか。まさかこれで、おしまいじゃないよね?
不審に思われそうなぐらい多田さんの顔に見入ってしまえば、その表情がふわりと和らいで、また艶っぽい眼差しを向けられる。
高鳴る心臓の音は、きっと聴こえてる。
真っ直ぐに伸びてきた手が火照る頬をくすぐるように撫でた。
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