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K02 : 春の海 3
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涼平にそう言われて、俺はちょっと笑いながらその隣に並んで歩き出す。
「だって、他の人とエッチする気になんないし」
「俺、不倫ってイマイチなんだよな。向こうに入れ込まれるとめんどくさいことになるし。どれだけいい女でも結婚してるってわかればその時点で付き合う対象にはなんないね。遊びなら全然イケるけど」
呆れた口調でそんなことを言いながら、涼平はきれいに染まったアンバー色の髪を掻き上げた。左の耳朶ではブラックダイヤモンドのピアスが陽射しを反射してキラリと自己主張する。
涼平がそう思うのも、わからなくはないんだけど。
「涼平は自由恋愛の達人だもんね」
「そうそう。不倫するぐらいなら最初から結婚しなけりゃいい。不倫相手にマジになるなんて、俺に言わせりゃとんでもないね。まあ楓の自由だけどさ」
「多田さんはそれだけ素敵な人なんだよね」
頭の中であの知的でセクシーな顔を思い浮かべて思わずにやけてると、冷たいトーンの声が耳に入ってくる。
「真っ昼間から、いい話題ね」
今日も美桜ちゃんはクールビューティ。サラサラの髪を靡かせながら、背筋を延ばして横にいる俺たちのことなんて見向きもせずまっすぐに前を見て歩く。
それでも涼平は「でも皆がしてるんだったら、俺もしようかな、不倫」なんて悪びれもせず言ってる。
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