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K02 : 春の海 6
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「あれだよ、あれ。小さくてかわいい女の子を自分の女に育てていく下りとか。ああいうの、たまんなくない?」
「あー、若紫のとこね……涼平ってロリコンだったんだ、知らなかった」
「いやいや、違うんだな。俺、子どもは全然恋愛対象になんないよ。でも、何にも知らない子を自分好みに育てる楽しみっての? あれは男の夢だと思う」
夢、ね。
俺はどっちかって言うと、相手に合わせる方が好きなんだけど。
「わからないでもないけど、俺はそういうのあんまり興味ないかも」
そう言うと、涼平はスッと目を細めて俺を観察するみたいに見つめる。
「楓は積極的に見えるけど、実は受け身だもんな」
─── 一瞬、ヒヤッとした。
涼平は普段何にも考えてないように振る舞ってるけど、人をよく見てる。だからこそ、あちこちに向けられた恋のベクトルを縺れさせずにうまく処理できるんだろう。
「うん。俺、基本的に来るものは拒まないからね。あんまり相手に望むものを押しつけるのって、得意じゃないし」
「楓はエッチもすぐ流されるからな」
「……涼平、俺としたことあるみたいに言うよね。」
「したことなくても見てりゃわかるって」
軽い会話をポンポンと交わす涼平と俺には見向きもせず、美桜ちゃんはただキラキラとこぼれる木漏れ日を浴びながら足取りを早める。
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