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K02 : 春の海 12
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遥人さんの手が頭に触れて、髪を梳くように撫でてくれる。硬く目を閉じてこの掌がくれる柔らかな感覚を追いかけているうちに、肌がふつふつと粟立ってくる。
「 ─── ん、ふ……ッ」
足りないものを少しでも補おうと思わず自分のものに伸ばした手は、咎めるように掴まれてしまう。視線を上げればじっと俺を見下ろす遥人さんがの顔が見えた。
心の奥までは、見えない。それでも、今この人が俺だけを見てくれてるのは確かだった。
不意に俺の頭を撫でていた手に力が篭る。前へと押さえつけられるままに遥人さんの昂ぶりを深く呑み込んでいけば、喉奥に先端があたった。
苦しくて涙が滲んで、でも次の瞬間には引き抜かれる。
「………は、ぁっ……」
こちらへと屈み込んだ遥人さんが、口を開けて大きく喘ぐ俺の顎を掴んで上向かせ、ゆっくりと顔を近づけてくる。
ああ、なんてきれいな人なんだろう。
こんなに近くても、遠くに感じて。それでも、傍にいたくて。
何となく、気づいてるんだ。
俺は遥人さんのことが好きだから、エッチするんだけど。
そうじゃなくて、ただ気持ちいいことがしたくて、だから一緒にいる。会う度に身体を重ねてしまうのは、俺が遥人さんにそう思われたいからだけかもしれない。
重荷になんてなりたくないから。
でも、こうして欲に眩んでる俺の姿は、この人の目にはどう見えてるのかな。
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