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K02 : 春の海 17
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「新しいバイト、どう?」
ベッドの中で微睡んで今にも意識を失いそうになってるときに不意打ちでそんなことを訊かれた。俺は重い瞼を開けながら、ぼんやりした頭を何とか働かせようとする。
「どうって……」
どんな答えを口にすればいいのかわからずに迷っていると、俺の身体を抱きしめるその腕に力が篭った。
こうして横たわったまま後ろから抱きしめられるのが好きだ。温かな体温で背中を包み込まれるのって、本当に気持ちよくて安心する。無防備なところを全部曝け出せる関係がすごく心地いいものだってことは、よく知ってるつもりだ。
黙っていると首筋にそっとキスを落とされて、身体がびくんとわななく。そこからチリチリと焦れるような熱が生まれて、小さな火種を逃すためにそっと息を吐く。
俺が最近始めたバイトのことをこんな風に遥人さんが気にしてるのには、ちゃんと訳がある。
「別に、いい感じだよ。楽だし、割もいい。良過ぎるぐらい」
そう答えると、耳元で響く甘い声が俺の鼓膜を刺激する。
「どんな子?」
「賢くて真面目で、おとなしい子。何の問題もないよ」
中学3年生の家庭教師。それが、俺が最近始めたバイトだった。
本当のことを言えば、その子はちょっとだけ訳ありっぽい感じなんだけど、まあそんなことは別に遥人さんに言わなくてもいい話。
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