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K02 : 春の海 18
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訳ありだとか言い出したら、俺の方が色々あるもんね。それこそ、遥人さんには知られたくないことも。
意識の底に澱んだまま眠っている黒い記憶を呼び覚ましそうになって、慌てて胸の内に押し込める。
「その子、男の子だっけ」
「ん、そうだけど」
頭を引き寄せられて、耳朶を食まれるその感触に背筋がぞわりと震える。耳元で囁かれる心地よい声に、もう満足したはずの身体はまた反応してしまう。そんな遥人さんの仕草からは俺をからかってるみたいな雰囲気が感じ取れて、本意を確かめるためにそっと後ろを振り返る。フットライトの灯りを拾って輝くきれいな瞳が、何かを試すように俺を見下ろしてた。
「だって、14歳だよ?」
安心させるつもりでそう言ったのに、遥人さんには通用しなかった。
「楓は14歳のとき、どんな子だった?」
そんな昔のこと、もう忘れちゃったよ。とか何とか言いかけて、思い直す。
その頃には、もう俺はちゃんと自分の性癖を理解してて、自覚した上でちゃんと楽しんでた。
「思春期の性欲を余すことなく相手にぶつけてた、かも」
「ほら」
正直に答えた途端、耳の後ろに押しあてられた唇が首筋を辿り落ちていく。身体に火を灯す熱い感触に、言い訳がうまく紡げない。
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