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K02 : 春の海 19
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「ん……、でも、大丈、夫。だって」
だって俺、浮気はしないからね。
そう口に出してしまえば、嫌味みたいに聞こえてしまうかもしれない。俺にとって遥人さんはたった1人の恋人だけど、遥人さんにとっての俺は単なる愛人に過ぎなくて、家に帰れば人生を共に歩んでいくきちんとしたパートナーがいる。訊いたことはないけど、ちゃんと奥さんとエッチだってしてるんだろうし、俺にそれを責める権利は全然ない。
遥人さんはただ、浮草みたいに目の前をふわふわと漂ってきた俺を食んでるだけで、俺は俺で社会のルールを破って遥人さんの時間を少し分けてもらってるだけ。
口を噤んでいると、ざらりとした舌が背中をゆっくりと這い降りていく。
今にも前戯に変わりそうな愛撫に身体の芯が小刻みに揺れる。俺は無駄だとわかっていながら小さく抵抗する。
「ダメ。今したら、寝ちゃうから」
「寝てればいいよ」
ねっとりと辿っていく熱に身を捩らせる。寝てなんかいられないぐらい喘がされてしまうのは目に見えてるし、この人はそれをわかってる。
それでも俺は、こうやって遥人さんに融かされていく感覚が好きだ。
微睡みも快楽も、全部ごちゃ混ぜになってしまえばいい。
遥人さん、今夜は家に帰らなくていいのかなとか。そんな余計なことを考える俺の理性なんてちっぽけなもので、与えられる極上の快感に簡単に呑まれていく。
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