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K02 : 春の海 20
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4月に入る直前のことだった。
バイトしてた居酒屋が店を畳んでしまってからというものの、ダラダラと長い春休みを過ごしながらそろそろ新しいバイト先を探さないとなあと思ってた俺のところに、タイミングよくバイトの話が飛び込んできた。
『楓、家庭教師しないか?』
それを俺に持ち掛けてきたのは、大学をこの春卒業したばかりの先輩だった。同じ学部で自然と顔見知りになって、キャンパスで顔を合わせたら立ち止まって少し話をするぐらいの浅い付き合い。先輩から付き合ってる彼女とうまくいってないと相談されて、その時に流れで何回かエッチしたこともある。でも、ちゃんと倦怠期を乗り越えてからはそういう関係はなくなって、今では時々連絡を取ったりするぐらいの緩い繋がりんだけど。
就職先の話だとか、しばらくは大変だけど少し落ち着いたら彼女に結婚の話を持ち出してみるんだとか、ひとしきり近況を聞いてから唐突にバイトの件が出てきた。
要は、先輩が春までしてた家庭教師を俺にそのまま引き継いでほしいっていうことだった。
生徒は中学3年生になる男の子。その子の家は、俺の家と大学の中間ぐらいの場所で、通うには悪くないところだった。
『向こうの親御さんに、どうしても後任を紹介してくれないかって言われてさ。授業料も破格だし、めちゃくちゃ楽だし、どうかなと思って』
『無理無理。俺が勉強を教えるなんて』
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