アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
K02 : 春の海 31
-
だからこそ、蒼ちゃんはいつも選りすぐりの女の子としか付き合わない。隣に連れているのは、決まってかわいくて清楚で、いかにも性格の良さそうな朗らかな女の子だ。だけど、俺は蒼ちゃんが人前で彼女とベタベタしてるところを見たことがないし、惚気話のひとつも聞かされたことはない。別に付き合ってる相手を大事にしてないというわけじゃないんだろうけど、レンアイにのめり込んでいる感じがないのは、蒼ちゃんが彼女がいなくても大丈夫な人だからかもしれない。
蒼ちゃんはすごく真面目だし、俺と違って遊びでセックスするようなタイプじゃないから、彼女がいなくて欲求不満にならないのかなとか思うんだけど。ああ、これは完全に余計な心配。
「楓は、彼氏とうまくいってんのか」
「へ? ああ、うん。まあね」
急に話を振られていつの間にか下がってた目線を上げると、少しだけ目を細めて探るように俺を見据える蒼ちゃんの顔が視界に入った。
年上の社会人と付き合ってることは一応報告してたけど、その相手が結婚してることは、実はまだ言えてない。別に隠してるつもりじゃないけど何となく言いそびれてしまってるのは、蒼ちゃんにとっては俺のレンアイなんて取るに足らないことで、そんなことまで言う必要はないと思ってるのもある。でもそれだけじゃなくて、不倫してるという後ろめたさがやっぱり心のどこかにあるのかもしれない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
82 / 104