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K02 : 春の海 44
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2人でそれぞれのドアから車を降りて、すぐ後ろのドアを開ける。移動するためにほんの少し離れただけでもすごく心細くて、我慢の足りない自分に思わず笑ってしまう。
スモーク貼りの窓ガラスに囲まれたリアシートは外から見えない空間になっていた。周りの車に乗ってる人たちは、俺たちが後ろに乗り換えるのを見てるかもしれない。それが何を意味するのかは、オトナだったら気づくだろう。
でも別に構わなかった。それよりも、俺にとってはこの抑え切れない火照りを何とかすることの方がよっぽど大事だった。
キラキラしたプラントの灯りに何気なく視線を流せば、その美しさに溜息がこぼれる。遥人さんの大好きな光景は、俺の大好きなものになった。
ああ、そうか。ここは夜のアミューズメントパークなんだ。
不思議なぐらい気分が昂ぶってきて、俺は遥人さんに勢いよく抱きついた。びっくりして目を見開きながら、遥人さんは俺をしっかり抱きとめてくれた。吸い寄せられるように重ね合う唇は、さっきよりも熱く濡れてる。開いた唇の隙間から挿し込まれる舌に歯列をなぞられてくすぐったさに吐息が漏れた。
男2人が身体を重ねる空間としては、この場所は狭かった。でも、それが却って情欲を煽っていく。
ベルトのバックルを片手で外されて、大きな掌が下着の中に滑り落ちてくる。絡み合う舌の動きに応えながら俺は身体中の感覚を全部この人に委ねていく。手の中で意識まで蕩けてしまいそうだ。
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