アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
K02 : 春の海 46
-
不意に俺を包み込む手の動きが吐精を促すものに変わった。ゾクゾクと下半身を巡る波を、何度も声を殺して腰を浮かしながらやり過ごそうとする。だけどどこにも逃げ場なんてなくて、すぐに堪え切れないぐらい昂ぶっていく。
「……あ、ぁ……ッ」
我慢しようとして、できなくて。苦しいぐらいの快楽に翻弄されて、身体が悦んでるのか何なのか本当は自分でもわかってない。
素直に自分を解放できないのは、怖いからかもしれない。全部委ねたその先でこの人が受け止めてくれなければ、俺は1人でどこまでも落ちてしまう。
「あ……、遥人、さ……」
うっすらと目を開けて必死に訴えれば、きれいな瞳が間近で俺を見つめていた。吸い込まれてしまって目が離せなくなる。
「いいよ、楓」
許されて安堵した途端、溜め込んでた熱が弾け飛んだ。何度も声をあげながら、俺は遥人さんの掌の中に欲を放ってしまってた。
「──っ、は……ぁ」
強張ってた身体の力がみるみる抜けていく。車内に特有のにおいが立ち込めてるのが妙に気恥ずかしかった。
窓の外では夜を照らす宝石みたいな灯りが夢の世界みたいにキラキラと瞬く。いつもと違う場所。日常と非日常の狭間に揺られながら、整わない呼吸を呑み込むように俺は遥人さんと唇を重ねた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
97 / 104