アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
K01 : 熱の入江 15
-
「楓、ごはん食べるでしょ」
「ううん、ごめん。昨日夜更かししたから、あんまり食欲ないんだよね」
なるべく明るく聞こえるようにそう言えば、母さんはちょっと溜息をついて「あんまり不規則な生活しちゃダメよ」と呟いた。
「俺、ちょっとシャワー浴びて、着替えてくるから」
そう言ってリビングを出ようとする俺を追い掛けるように、背後から静かな声がした。
「楓、あとで部屋に来いよ。見せたいものがあるんだ」
絡みつくようなその低音に、ビクリと肩が上がってしまう。
母さんに変に思われなかった? それだけが心配。
「……うん、わかった」
振り返らずに返事をすれば、穏やかな母さんの声が聞こえてくる。
「あなたたち、本当に仲がいいのね」
ああ、よかった。大丈夫。
俺は心底安堵する。
「ん……う、ん……っ」
俺の口の中を圧迫しているものが喉の奥を抉るように突いてきて、胃から何かがせり上がりそうになるのを必死に堪える。
「ほら、楓。もっと舌使えよ」
髪を掴まれて後ろへグッと引っ張られるから、顔が上がってしまう。
愉悦を含んだ笑みを浮かべながら、ベッドに腰掛けた兄貴は冴え冴えとした眼差しで俺を見下ろしてた。
その瞳は、背筋が凍えそうなほどに冷たい。
うるさく羽音を立てるような虫を殺すときだって、そんなふうには見ないだろう。
兄貴がこんな瞳をするのは、俺を見るときだけだ。
ねっとりと絡みつくような視線を感じながら目を閉じて一生懸命にフェラを続けるうちに、硬さを持ったものがぶるぶると小刻みに震えだした。
1秒でも早く終わらせたくて、わざといやらしい水音を立てて追い込んでいけば、低い呻き声と共に生暖かいものが放たれた。
断続的に吐き出されるそれを、俺は口の中でどうにか受け止める。
収縮が収まった途端、グイ、とまた前髪を上の方に強く引っ張られて、その拍子にもう萎えてきたものが口からずるりと出ていった。
「……あ、っ……」
ぬるい欲の残骸がどろりと口の端から零れて顎を伝っていく。
それを目線で追い掛けながら、兄貴は愉しげにニタリと笑った。
「ちゃんと全部飲めよ、バカ」
親指で乱暴に顎を拭われて、口に突っ込まれる。
グリグリと強引に歯列を割って入ってきたその指を、舌を絡ませながら吸う。
苦味に顔を顰めながら、息を止めて口の中に溜まっているものを必死に飲み込んだ。
空腹だからか、喉から胃に緩い熱が流れ落ちていくのが妙にリアルに感じられる。
目が覚めて1番に口にしたのがこんなのだなんて、ホントにツイてない。
こんなこと、俺にとってはもう何でもないことのはずだった。
なのにどうしてだかわからないけど、今日はいつにも増して精神的にキツイ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
19 / 104