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ありがとう縁下
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精気を失った魚のようにピクピクしている相楽。
このままにしておくわけにもいかないし、どうしようかと考えた結果、
「よし、外に出そう。」
うんうん、そうしよう。それがいい。
だが、自分よりも身長がある男をどうやって運べばいいんだ?
そんなことを考えていたら、縁下が話しかけてきた。
「起きそうにないし、今日はリビングのソファに寝かしておいてやればいいんじゃないか。」
縁下……。お前はなんていい奴なんだ。
自分のことが醜く思えてくるよ…。
こんな変態野郎を同じ部屋内に居させることにはあまり気が進まないが、ここは他にどうしようもない。
「そうだな。」
「俺が運ぶよ。」
そう言って、縁下はまだ意識を失ったままの相楽を持ち上げて、部屋のドアへ向かう。
「悪いな縁下、ありがとう。」
俺の言葉を聞くと、縁下は無言で首を横に数回振って、相楽を抱えてリビングの方へ歩いていった。
……………………。
……おひめさま、抱っこだった。
生で…、見てしまった……っ。
ごめん、縁下。そして相楽。
こんな腐った俺を許しておくれ…。
………たまらんかったよ。
でも仕方が無いと思うんだ。
だって、初めて見たんだもん…。
そんな、ちょっと興奮気味で立ちっぱなしだった俺に、相楽を運び終わったであろう縁下が戻って話しかけてきた。
「飯、まだだよな。今からつくるから、ちょっと待ってろ。」
おぉ…。縁下、ありがとうな…。
毎日つくるなんて、すごい大変なはずのに…。
ほんとうに感謝だし、嬉しい。
「縁下…、いつもありがとう。やっぱお前のこと大好きだよぉお!」
なんか前にも同じこと言ったような気がするけど。
俺がそう言うと、縁下は何を言い出すんだといった感じで一瞬驚いたようだった。
だがそのあとすぐにふっと笑って、俺の頭にぽん、と大きな手を置いて、開きっぱなしだったドアから出ていった。
それから、飯を食って、風呂に入って、もう寝るかということになった。
ちなみに縁下は相楽の分の飯もつくってあげていたらしく、食卓の上にラップがかかったご飯とおかずが置いてある。流石縁下だ。
縁下は今日も一緒に寝るかと言ってくれたが、流石に三日もお世話になるのは迷惑だと思うから、今回は丁寧にお断りした。
そして俺の考えていることを読み取ったのか、縁下もすんなり頷いた。
そんなこんなで、色々大変で、尚且つ衝撃のあった一日が幕を閉じた…。
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