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フェイント
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縁下が飯を作っている間に、俺は風呂へ入った。
今度からは夜も飯作ってくれるのか……。かなり贅沢だよ
な。縁下には本当に色々と感謝だ。
それにしても、酷いなこれ。
俺は風呂場の中の鏡に映る身体をまじまじと見る。そこらじゅう傷や痣で自分で見ても痛々しい。
まあ気にしても仕方ないし、さっさと洗って縁下のうまい
飯を食おう。
頭も身体もさーっと洗ってさーっと流す。
よし完了!完了、したが。
俺は風呂場に出てから気づいた。
「あ、服忘れた。」
やらかした。用意してたのに忘れるとか…。
あっちに取りに行ってこの身体を縁下が見たら、きっと余計心配させるし。
そんな事を思って悩んでいたら、突然風呂場のドアが開い
た。
「あ。」
「……。」
俺が既に出ているとは知らなかった様子の縁下。
俺の現在の格好は全裸。バスタオルは頭上。
え、なんでこんな空気になってるの。俺気にしてないんだ
けど。
「これ、お前忘れただろ。」
「あ、今そのこと考えてた。まじタイミングがいいぞ縁下
くんよ。」
「はいはい、どーも。…それにしても、それ……。」
あ、やっぱり言われたか。
「別に平気だよ。見た目ほど痛くないし。」
縁下が眉を寄せて近づいてくる。目の前で止まると、俺の
身体に手を伸ばしてきた。
「うぉっ、」
「ほんとに、平気か。」
縁下は心配そうな顔で、俺の上半身の傷に優しく触れる。
突然のことに思わず驚いた声を出してしまった。
普通に焦った。でも縁下は真剣な表情だから、ふざけてや
り過ごすにもいかない。これを素でやっている縁下もすごい。こういうところモテそうだ。普段がどんな感じか知らないけどね。
「ほん、とに平気だし、大丈夫っ、だから。その手を離し
て!?」
さっきから心配してくれているのは分かるが、俺はくすぐ
られるのが弱いと言っただろう!
まあくすぐられてるわけじゃないんだけど、くすぐったいんだからしょうがないんだよね。
「あぁ、阿久津弱いんだったか。」
「そうですが。」
「…………フッ、ほんとに面白いな、お前。」
まじかよ、その微笑み、縁下尊い…。
だがな、冷静に考えて見ろ、この状況を。
イケメンが全裸の男に微笑んでいる。うん、まずい。
「とりあえず服着ていいですか。」
「あぁ、そうだったな。」
そう言ってボクサーパンツを手に取る。
「それにしても、直接見ると余計細いな。」
「え?」
「その腰。」
あー、まあそうかもな。男にしてはな。でも平均的だぞ。
なんだ!?貧相だって言いたいのか?あぁん!?
俺だって筋肉ついてるぞ!!…………少しは。
「何、縁下。俺の腰なんて見ちゃって。変態さんなの?」
少し悔しかったから縁下にちょっとちょっかいを出してみる。
「そうだな。今すげー興奮してる。」
急にそんな事を言って、後ろから俺の身体を変な手つきで触ってくる縁下。腹あたりにあった手はだんだんと上へ上へと上がっていき、胸へと到達する。
「はっ…?まじ冗談っ、やめろよっ…、」
オレが本気で焦り始めると、縁下が余裕の笑みで手を止めた。
「俺の勝ちだな。」
「くそ腹立つぅ!?」
まじで何だよ!本気で焦った…。俺もBLしちゃうのかなとか心の中で思ってたからね俺!
しない、しないよ!?
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